からふる・ぱれっと

「綾香って米村と仲良いよね。」


「米村とは普通に話せるのになんで俺とは普通に話せないん?」


「綾香って米村といる方が楽しそうだよね。」


「綾香、本当は米村が好きなんじゃない?」


牧元君のことを米村に相談するたび、そんなこと言われるようになった。


そして、牧元君はうちの苦手な雪子ちゃんに相談するようになった。


牧元君は雪子ちゃんとは普通に話せるみたいで、二人は徐々に仲良くなっていった。


雪子ちゃんと笑う牧元君を見て、雪子ちゃんが牧元君にベタベタ触るのを見て…。


そして、雪子ちゃんと二人で帰っている牧元君を見て、うちの我慢も限界にきた。


どうしよもなくなって牧元君に思っていることを全て吐き出した。


「うち、雪子ちゃん嫌い…だから、牧元君も雪子ちゃんと仲良くしないで…。」


「…綾香に嫌な思いさせてごめん。わかったから…だから、綾香も約束して…。」


「…うん?」


「…あんまり男友達と仲良くせんで。」


「…わかった。」


うちらは約束した。


…けど、その約束をうちらはお互いにこっそりと破っていた。

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