【短】ひこーき雲
「あ…谷川君」
にこりと笑う彼女は、とてもかわいかった。

「こっちだよ。」そう言って彼女は俺の腕を握った。


《腕〜!!握られてる!!》

心の中で叫びながらも、平静を装い、ついていく。



「ほらっ!!」

彼女は俺の腕から手を放し、空を指した。


白いラインがひかれる空は、何だかいつもより明るく見えた。


「………うん。キレイだね。」


「やっぱりいいなぁ…飛行機雲。」


「うん。

…あ、そういえばメールの時敬語になってたよ。」


「谷川君もじゃん!!まぁ気をつけます!!



……………あの、さ…」


「ん?何?」

急に彼女の声が暗くなった。


「谷川君……付き合ってくれない?」
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