キミに真心をこめて
『なぁ、渚。アイツに何かあったのか??』
あまりにも気になるから、俺は直球で聞いてみた。
本当は聞かないほうが良かったかもしれないのに。
『いや、何かっていうか〜…。ゆう兄、もしかして何も聞いてないの??』
何かってなんだよ…。
何も聞いてないから、ここにいるんだろ。
『うん…。遥が転校した後、しばらくは手紙のやりとりをしてたんだ。でもある日突然、返事が来なくなって…。』
俺は今までの出来事を簡単に説明し始めた。
『返事来ないし、嫌われたのかと思ってたんだけど。この前遥から、助けを求める手紙が届いたんだ。何かあったんじゃないかと思って、急いできたんだけど…。』
ここまで話して気付いた。渚の顔色に変化があったことを。
“あらえない”そんな表情をしている。
いったい何がありえないんだ??