キミに真心をこめて

『立ち話もなんだから、上がって??ほら渚、佐瀬君をお家に入れてあげて。』


『あ、うん。ゆう兄どうぞ。』


遥の母親にうながされるように、俺は家の中に上がってしまった。


気付いているのだろうか、俺が尋ねてきた理由をー…。


『お邪魔します。』


家の中は前の家と同様、とても綺麗に整理されている。


花瓶に生けた花や絵も飾ってあって、家庭的だ。


ちなみに俺の家には、花も絵もない。


お袋がそういうのに興味ないらしい。


リビングに入ると、これはまたお洒落な空間で、手作りの人形やらも置いてある。


『ソファーにでも座って頂戴。今、お茶入れるわね。』


『あ、おかまいなく。』

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