キミに真心をこめて
俺はお言葉に甘えて、とりあえずソファーに座った。遥の母親はキッチンでお茶の用意、渚は俺の向かいにちょこんと座った。
リビングに三人も人がいるのに、会話は一切なし。
無言の時間が、ただひたすら流れていた。
『おまたせ。紅茶で良かったかしら??』
遥の母親は、おぼんに紅茶とお菓子を乗せて持ってきた。
『あ、はい。ありがとうございます。』
『渚はオレンジジュースね。』
そう言って、遥の母親はテーブルに紅茶やお菓子を並べていく。
『いただきます…。』
この気まずい、独特の空気に耐えられなくて、俺は出させた紅茶を頂いた。
温かくて、甘くて優しい味がした。
遥の母親と渚も同様、飲み物を飲んでいる。