キミに真心をこめて

『佐瀬君は、遥に会いにきたのよね??』


『ブッッッ……!!!』


突然核心に触れられたため、思わず飲んでいた紅茶を吐いてしまった。


『え、あ、すいません!!』


うっわ。俺かっこ悪。彼女の母親の前で、飲み物吐くなんて…。


『あらぁ、大丈夫??はいタオル。』


タオルを受け取ると、俺はそれで口元や服を慌てて拭いた。


そして


『…………はい。俺、遥に会いにきたんです。』


今まであった出来事を、全て正直に話した。


転校した後も手紙のやり取りをしていた。


ある日突然、返事が来なくなったこと。


学校付近で一度、遥のそっくりさんを見たこと。


最近、夢に何度も遥が出てくること。


そして…。遥からきた、助けを求める手紙。


全てをありのままに話したんだ。


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