キミに真心をこめて
『会わせないって、どういう事ですか??』
俺は遥に会いたい。そのためにわざわざ来たのだから。
『佐瀬君はあの子に会いたいのよね??だから、こうして来てくれたのよね??』
穏やかな口調とは裏腹に、遥の母親の目は真剣そのものだった。
遊び半分で、気軽な気持ちであの子に会うのはやめて。
まるでそう言われているみたいだった。
『会いたいです。すごく。遥の手紙を読んで思ったんです。傍にいてあげなくちゃって…。』
つたない言葉だけど、俺は自分の気持ちを正直に言った。
『………わかったわ。今のあの子に会って、多分貴方は後悔するわ。それでもいいなら、ついてきて。』
そう言って、遥の母親は立ち上がった。
『はい。』
この二文字に全てを込めて、俺も立ち上がった。