キミに真心をこめて
『朝お前を先に行かせて、俺財布を取りにチャリのとこへ戻っただろ??』
一つ一つを思い出しながら、ゆっくりと話し始める。
春でまだそんな暑くない季節なのに、額に汗が滲んでるのがわかる。
『そしたら…いたんだよ。俺のチャリのとこに。』
『あー…朝っぱらからお化けでも見たのか??』
『違う!!!!!』
思わず大声で怒鳴ってしまった。
慌てて口を塞ぐと、洋平は驚いていて、教室にいる何人かの奴らは、こっちを見ている。
『ごめん。』
俺たちの間に気まずい空気が流れて、話を再開するタイミングを逃してしまった。
『いや、俺こそふがけてごめん。で、何がいたんだ??』
俺はまた大きく深呼吸をすると、隣にいる洋平を真っすぐ見て告げた。
『遥がいたんだ。』