キミに真心をこめて

体が震える。声にならない。


今目の前に、会いたくて会いたくて、触れたかった人がいる。


少し痩せたかな。髪伸びたな。相変わらず、肌白いな。相変わらず横顔も綺麗だな。


なぁ、遥。横顔だけじゃなく正面から、顔を見せてー…??


『久しぶり、遥!!』


再会できた喜びが、つい大声で出てしまった。


けど、俺が名前を呼んでも駆け寄っても、遥は振り向かないし返事もしない。


ただずっと正面を見ているだけ。


様子がおかしいー…。


『なぁ、遥。俺だよ、勇一だよ!!覚えてるよな??』


この問い掛けにも反応しない。瞬きさえしない遥が、正直気味が悪かった。


俺は慌てて遥の母親に聞いた。


『おばさん、これはどういう事ですか!?遥に何があったんですか!?』


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