キミに真心をこめて
過去と真実
場所は遥の部屋から再びリビングへと戻った。
リビングに戻るとき、自分の部屋から顔を覗かせていた渚と目が合った。
ひどく不安そうな顔をしていた。
きっと渚は知っているのだろう。
今から俺が聞く“真実”を。
リビングに入ると、おばさんは温かいコーヒーを入れ直してくれた。
おばさんも俺の向かいに座ると、自分用に入れたコーヒーを一口すすった。
俺も、ミルクを三杯と砂糖を一つ入れると渦が出来るほだ、よくかき混ぜた。
コーヒーの面には、俺の歪んだ顔が映っている。
ひどく歪んだその顔は、まるで俺の心みたいだった。
それにしても…この沈黙がきつい…。
『どこから話そうかしらね。』
やはり、一番最初に口を開いたのはおばさんだった。
ここまできたら、覚悟を決めるしかないようだ。
例え、語られる真実が耳を塞ぎたくなるほど残酷なものだとしてもー…。