キミに真心をこめて

おばさんは渚の頭を優しく撫でると


『今からお姉ちゃんを迎えに行ってくるから、良い子で待っててね。お父さんが帰ってきたら、すぐお母さんの携帯に電話して。そう伝えてちょうだい。』


そう言って、急いで家を出た。


警察署に保護されていた、遥を迎えに行くために。


おばさんは警察署までの道程、何に乗ってどんな風に行ったかー…。


ほとんど覚えていないらしい。


ただ頭の中に浮かんでいるのは、可愛い可愛い娘の姿。


まさかそんな娘が


あんな酷い目にあうなんてー…。


警察署に着く頃には、息は切れ汗だくになっていた。


『すいません、池中です!!!うちの娘は…遥はどこですか!?』


入り口にいた警察官に詰め寄った。


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