キミに真心をこめて

『そうだな…。俺も行くよ。今日大きな仕事を片付けたから、明日は休めると思うし。』


『うん、お願い…。』


リビングには二人のため息が響く。


『お父さぁん、お母さぁん。お姉ちゃんどうしたの??』


まだ幼い渚も、親の言っている意味はわからないものの、二人が感じている不安は感じ取っていた。


『渚…。なんでもないの。心配かけてごめんね。』


優しく頭を撫でると、渚は安心したのか無邪気な笑顔を浮かべる。


『わかった。そういえば遥お姉ちゃん、お風呂から上がってこないね。僕様子見てくる!!』


そこでおばさん達も気が付いた。


お風呂から上がってこない以前の問題…。
風呂場から物音一つ、聞こえてこない。


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