キミに真心をこめて

私も様子を見にいこうかしら。
そう思い立ち上がったときだった。


『お父さん!!お母さん!!来て!!遥お姉ちゃんがー…。』


渚の叫び声が聞こえてきて、急いで風呂場に向かう。


『渚、どうしたの!?』


『お母さんー…。』


入った瞬間目に飛び込んできのは、体が赤くなり、血が滲むまで体を擦る遥の姿。


そしてその行為とともに、遥は何か呟いている。


『汚いから…綺麗にしなきゃ…汚いから…綺麗にしなきゃ…汚いから…綺麗にしなきゃ…汚いから…綺麗にしなきゃ…汚いから…綺麗にしなきゃ…汚いから…綺麗にしなきゃ…。』


まるで呪文のように。


『や、やめなさいっっ!!』


おばさんは遥を抱き締めると、バスタオルをかけてその行為をやめさせた。


拒絶されるかと思ったが反応はなく、ただぼーっとしていたらしい。


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