キミに真心をこめて
実際、遥は俺に会いたがってないと思う。
遥が中三の夏に引っ越してから約八ヵ月間、俺は何十枚と手紙を書いてきた。
最初の頃は返事がきていたが、中三の冬頃から返事がこなくなった。
受験で忙しいんだろうと思っていたが、春になっても返事はこなかった。
これはもう、嫌われたと思うしかないよな。
『会いに行くときは、お前もついてこいよ。』
俺一人じゃ、なんとなく気まずいし。
『嫌だよ。二人の邪魔は出来ませーん。』
洋平はいつの間に持ってきてたのか、俺が奢ったコーラを一気に飲み干した。
『あー、風が気持ちいいなぁ。』
今俺たちの周りには、陽気な風が吹いている。
少し強い風で、まるでこれからの俺たちを暗示しているかのようだった。