キミに真心をこめて
―六月十日―
コトンッッ
青い便箋が、ポストの中へ落ちた。
『無事に届きますように。』
一ヵ月に一回、必ず書いている手紙。
その大事な手紙を赤いポストに投函する。
『さぁて、学校行くかな。』
俺が通っている高校はチャリで片道一時間。
住んでいるところが田舎だから、電車は一時間に五本。
大雨でも降らないかぎり、電車を利用することはない。
高校に入学して早二ヵ月、毎朝汗だくになりながらチャリを扱ぐ。
『今日は朝練ねぇし、ゆっくり行くかなぁ。』
いつもより少しスピードを落とす。
体に感じる微かな風が、心地よくて気持ちいい。
そんな感情に浸っている時だった。