キミに真心をこめて
中学一年生の頃、俺たちが使っていた教室は三階にあった。
階段を昇り、左に曲がれば教室がある。
『一年三組…あった。ここだ。』
ペンキが剥がれつつある、教室のドア。本当に何もかもがあの頃のままなんだな。
『開く…よな…??』
恐る恐るドアに手を掛ける。
『…もぅ……な…………さ…。』
教室の中から声が聞こえる。
本当に小さい声だから、よく聞き取れないが、多分女の子の声。
俺は見つからないように、静かに三センチ程ドアを開け、隙間から中を覗いた。
中にいたのは、こっちに背を向け肩を震わせながら泣いている女の子。