キミに真心をこめて

『お前さぁ、遥の夢見てたんだろ??』


いきなり核心に触れられ、思わずドキっとした。


『な、なんでわかったんだよ!?』


『寝言言ってた。小さな声で遥って聞こえたし。』


洋平の席は俺の前だから、寝言が聞こえてしまったんだろう。


『どんな夢見てたんだ??』


どんな夢ー…。


物凄いリアルで、夢に出てきた遥は中学一年生で


目を真っ赤にして泣いていた。


そして俺を見て、もう駄目なの…さよならって言った。


…こんな夢を見てたなんて、言いづらい。


『別に。遥と初めて会った頃の夢だよ。』


嘘をついた。


洋平には正直に言おうと思ったが、まだ言わないほうがいいかと思ったんだ。

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