キミに真心をこめて
『受験頑張ったよ…。高校も志望校に受かったよ。』
気が付くと俺は、手紙に向かって喋りかけてた。
もちろん、高校に受かった手紙は出した。
けど、その時には既に返事が来なくなっていて、俺は遥の受験結果さえ知らない。
やっぱり俺は嫌われた。
もう他に男がいる。
そう考えるのが妥当なんだろうか。
遠距離恋愛なんて…所詮こんなもんか。
俺は手紙を静かにしまうと、ゆっくりと瞼を閉じた。
今日は色々あったし、学校でもゆっくり寝ていられなかったからな。
せめて今だけは静かに眠りたい。
ゆっくり寝ていたい。
少しずつ落ちていく眠りの中で、微かに遥の声を聞いた気がした。