キミに真心をこめて
愛用のチャリに乗って、めったに車が通らないたんぼ道をゆっくり扱いでいく。
『勇一、そういえば朝練は??』
『朝練…。やっべぇ!!忘れてたわ!!』
昨日、部活を休んだ勢いで朝練の事すっかり忘れてた。
あとで顧問のとこに謝りに行くか。
『てかさぁ、洋平も朝練あるよな??お前こそ大丈夫なのか??』
洋平の所属する柔道部は、剣道部よりも厳しいはずだ。
よほどの事がない限り、欠席も許されないと聞いたことがある。
『俺は大丈夫だ。顧問と主将には連絡済みだ。』
こいつが朝練休むなんて珍しいな。よほど大事な話なんだろう。
たんぼ道を抜け、川原に着いた頃だった。
『勇一、今日は学校サボらないか??』