キミに真心をこめて
『妙な夢を見たんだ。』
“妙な夢”その言葉を聞いて、ドキっとなる。
昨日のせいで、夢って単語に敏感になっているみたいだ。
『な、なんだよ。どんな夢を見たんだ??』
洋平は今までにないくらい、すごく真剣な顔付きだ。
『…………遥の夢。夢に出てきたんだ、あいつが。夢の中で遥に、もう駄目なの…さようならって言われたよ。』
『お前もか!?』
思わず食い付いてしまう。俺は昨日、本当の夢の内容を洋平には言っていないから。
俺がこんな反応したら、怪しまれるだろうか。
『お前もか…って、勇一もか!?』
怪しまれはしないけど、やはり洋平も驚いている。
『昨日の英語の時間に…。黙っててごめん。』
『あの時かー…。謝らなくてもいいけどさ。ちょっと妙じゃねぇか、あの夢。』