キミに真心をこめて

『妙な夢を見たんだ。』


“妙な夢”その言葉を聞いて、ドキっとなる。


昨日のせいで、夢って単語に敏感になっているみたいだ。


『な、なんだよ。どんな夢を見たんだ??』


洋平は今までにないくらい、すごく真剣な顔付きだ。


『…………遥の夢。夢に出てきたんだ、あいつが。夢の中で遥に、もう駄目なの…さようならって言われたよ。』


『お前もか!?』



思わず食い付いてしまう。俺は昨日、本当の夢の内容を洋平には言っていないから。


俺がこんな反応したら、怪しまれるだろうか。


『お前もか…って、勇一もか!?』


怪しまれはしないけど、やはり洋平も驚いている。


『昨日の英語の時間に…。黙っててごめん。』


『あの時かー…。謝らなくてもいいけどさ。ちょっと妙じゃねぇか、あの夢。』
< 40 / 130 >

この作品をシェア

pagetop