キミに真心をこめて
中学校三年生の夏。
夏休みの二週間前だった。
蝉の泣き声がうるさく、いつもより暑い日。そんな日だった。
あの日、俺は寝坊して朝のHRの途中に教室に入っていったんだ。
けど、あの日は違かった。
いつものHRは皆笑っていて、先生が今日の予定を話す、そん感じなのに。
扉を開けたら泣いているクラスメイト
暗い顔をした先生
一つだけ、ぽっかりと空いた誰も座っていない席。
最初は何が何だかわからなかった。
けど、すぐに気付いた。空いている席が遥の席だという事に。
『みんな…遥は…??』
俺のこの問いに、まともに答えられる奴が、一体何人いただろう。
男子は下を向いて、女子は泣いている状態。