キミに真心をこめて

『なんだよ…これ…。』


本当に勝手だよ。転校の理由も、まぢで書いてねぇし。


『ねぇ、佐瀬くん。遥なんだって??』


遥と仲の良かった女の子が涙を滲ませながら聞いてきた。


けど、この子達を元気づけさせるような言葉を、今の俺には言えない。


『いや…突然こんな事になってごめんって…。それだけ。』


『そっかぁ…。』


女の子は肩を落としながら、教室の外へ出ていった。


俺はこの日、授業に身が入らず帰ってすぐに返事を書いた。


遠距離恋愛の始まりだ。


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