キミに真心をこめて
学校の裏手に、今はもう使われていない小屋がある。
持ち主は不明だし、ここを使っている人を見たこともない。
小屋の周りは草が生え放題。
周りからはよく見えない、いわば死角ってやつだ。
小屋を出て、フェンスを昇ればすぐ校舎があるから、俺と洋平はここを駐輪場代わりに使うことが多い。
『いつ来ても、ここは誰もいないのな。』
『いても困るけどな。チャリ置いてる事見つかったら、色々とめんどくさそうだし。』
俺はとりあえず、小屋の裏の隅の方に
洋平は小屋の左側にそれぞれチャリを置いた。
『よぉし!!教室行くか。あ、勇一、俺コーラな。』
一瞬何を言っているのかわからなかったが、どうやらさっきの奢る話を今だに覚えていたらしい。
こいつ、なかなか手強いな。