キミに真心をこめて
洋平は大きく深呼吸した。
そんなに意外性のある人物なのか??
『俺の記憶が正しければ、あいつは…あの女は、遥と一番仲良かった猪股咲季だ。』
いのまた…さき…。
そいつの事はよく覚えている。遥の親友で、俺と遥が付き合うことになったとき、誰よりも祝福してくれた子だ。
元気で活発で、ショートカットがよく似合う子。
でも猪股といったら…
『洋平の見間違いだろ。猪股は、俺が遥からの手紙を読み終わったあと、泣きながら俺のとこにきたんだ。遥なんだって…って。笑ってるなんてありえない。』
『それは読み終わったあとだろう。俺が見たのは、勇一がちょうど受け取るとき、手紙を読む前だ。』
なるほど…。でもわからない。なんで笑うんだ??
仲良い子が突然転校したんだから、普通は悲しむんじゃないのか。