キミに真心をこめて

俺たちが学校に着く頃には、ちょうど四時間目が終わったから、校舎は授業を終えた生徒で賑わっていた。


この前の小屋のところにチャリを止めて、少し急ぎ足で校舎へ向かう。


早く行かないと食堂の席が無くなるからな。


『なぁ、洋平。先生に会ったらなんて言い訳するんだ??』


二人揃って遅刻なんて怪しまれるだろ。


『言い訳は考えてる。お前が下痢になったから、介抱してました。って。』


おい!!また下痢かよ!!しかも介抱って…。


先生に会っても、こいつには喋らせねぇぞ。


『まぢ腹減ったなぁ。今日は何食うかな。』


全くのんきな奴だ。


俺だって腹は減っているけど、緊張感や不安のほうが上回っているというのに。

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