キミに真心をこめて

確かに遥とは仲が良かった。休み時間はいつも一緒にいたし、俺と一緒に帰れないときは、必ず猪股と帰っていた気がする。


俺はそんなに話したことはないが、挨拶くらいはしていた。


遥は猪股に、新しい住所は教えなかったのか??


いやそれ以前に、洋平の言ったことが本当ならば


何で笑ってたんだー…。


『ねぇ、凄いでしょ!!今度皆で行こうよ!!』


横から聞こえてきた甲高い声で我に返った。


見ると、女子グループ五人組がなんかの話題で盛り上がってた。


一年生かな…。なんとなく。


ぼーっとそのグループを見ていたら、一人見慣れた奴がいた。


あいつだ。


猪股咲季。


< 58 / 130 >

この作品をシェア

pagetop