キミに真心をこめて
確かに遥とは仲が良かった。休み時間はいつも一緒にいたし、俺と一緒に帰れないときは、必ず猪股と帰っていた気がする。
俺はそんなに話したことはないが、挨拶くらいはしていた。
遥は猪股に、新しい住所は教えなかったのか??
いやそれ以前に、洋平の言ったことが本当ならば
何で笑ってたんだー…。
『ねぇ、凄いでしょ!!今度皆で行こうよ!!』
横から聞こえてきた甲高い声で我に返った。
見ると、女子グループ五人組がなんかの話題で盛り上がってた。
一年生かな…。なんとなく。
ぼーっとそのグループを見ていたら、一人見慣れた奴がいた。
あいつだ。
猪股咲季。