キミに真心をこめて
こいつ何なんだ??一体何を考えている??
そんな猪股が突然恐くなって、俺は静かに手を離した。
俺の腕が微かに震えてる。
『やっと離してくれたぁ。もぅ、痛かったんだから。』
そう言いながら、猪股はしわになった襟を直している。
『佐瀬君達さぁ、もしかして私なら知ってると思った??遥が転校した理由。』
『あぁ…。お前なら何か知ってると思ったんだ。』
やっぱり気付いてたか。どんだけ勘がいい女なんだよ。
『ふーん。確かに知ってるよ。遥が転校した理由。』
『まぢで!?本当か!?』
『遥は何で転校したんだよ!??』
思いがけない発言に、俺と洋平が一斉に食い付いた。