キミに真心をこめて

こいつ何なんだ??一体何を考えている??


そんな猪股が突然恐くなって、俺は静かに手を離した。


俺の腕が微かに震えてる。


『やっと離してくれたぁ。もぅ、痛かったんだから。』


そう言いながら、猪股はしわになった襟を直している。


『佐瀬君達さぁ、もしかして私なら知ってると思った??遥が転校した理由。』


『あぁ…。お前なら何か知ってると思ったんだ。』


やっぱり気付いてたか。どんだけ勘がいい女なんだよ。


『ふーん。確かに知ってるよ。遥が転校した理由。』


『まぢで!?本当か!?』


『遥は何で転校したんだよ!??』


思いがけない発言に、俺と洋平が一斉に食い付いた。

< 71 / 130 >

この作品をシェア

pagetop