キミに真心をこめて
『まぁ、気が向いたら会いに行ってよ。遥も喜ぶよ。』
遥が喜ぶ??俺に会って??手紙の返事もこないのにー…。
『大丈夫だよ。私が保障するから。』
俺が不安がっているのに気付いたのか、猪股はそう優しく言ってくれた。
『まぁ…近々会いに行くよ。』
『うん、そうして。じゃあ、用はもうないよね。私そろそろ教室戻るから。』
猪股は屋上を後にした。
残された俺と洋平は、いまさら授業を受ける気にもなれず、そのまま屋上に居座る。
『なんか…思ったよりも収穫なかったな。約束だからとか言って、何も教えてくれなかったし。』
この言葉に、洋平は何も答えない。
こいつはこいつなりに、何か考えてるんだろうな。