キミに真心をこめて

『勇一、お前遥に会いに行かないほうがいいんじゃね。』


『はぁ!?なんでだよ!?』


突然こいつは、何を言いだすんだ。何で会うのを止めるんだよ。


散々協力しておいて。


でもそのときの洋平の表情は真剣そのもので、責める事が出来なかった。


『猪股咲季はお前が会いに行けば遥は喜ぶって言ってたけど、あいつの言うことだ。何か裏があるに決まってる。』


確かにそうかもしれない。猪股は絶対に何かを隠してるし、そう簡単に信用しないほうがいいかもな。


『まぁな。それに俺だって、学校も部活もあるんだ。そう簡単に会いに行けないよ。』


本当は今すぐにでも行きたいけどな。


会って全てを知りたい。


けど、全てを知るのが恐い。


心のなかで葛藤が始まる。

< 75 / 130 >

この作品をシェア

pagetop