キミに真心をこめて
『勇一、お前遥に会いに行かないほうがいいんじゃね。』
『はぁ!?なんでだよ!?』
突然こいつは、何を言いだすんだ。何で会うのを止めるんだよ。
散々協力しておいて。
でもそのときの洋平の表情は真剣そのもので、責める事が出来なかった。
『猪股咲季はお前が会いに行けば遥は喜ぶって言ってたけど、あいつの言うことだ。何か裏があるに決まってる。』
確かにそうかもしれない。猪股は絶対に何かを隠してるし、そう簡単に信用しないほうがいいかもな。
『まぁな。それに俺だって、学校も部活もあるんだ。そう簡単に会いに行けないよ。』
本当は今すぐにでも行きたいけどな。
会って全てを知りたい。
けど、全てを知るのが恐い。
心のなかで葛藤が始まる。