キミに真心をこめて
『勇一、どこへ行くの!!??』
『母さんごめん!!ちょっと出掛けてくる!!』
気が付けば、家を出ていた。
ネットで調べて取った、新幹線の席。
財布と携帯、そしてあの手紙を握り締めて、向かった先は遥が今住んでいる
東京。
汗だくになりながら、駅まで走る。
本当はタクシーを使いたいが、新幹線代でもう金はほとんど残っていない。
そういえば、明日は大事な練習試合。
今東京へ行ったら、明日は確実に行けないな。
いや…そんなのどうでもいい!!
今は遥が大事なんだ。
星先生や、主将には適当に連絡しておこう。
俺は出発時間ギリギリに新幹線に乗った。
俺を乗せた新幹線は、ゆっくりと走りだした。
遥がいる地へと向かって。