キミに真心をこめて

再会


東京駅を出発して、小一時間。


目的地に着いた。


遥のいる街へ。


ごちゃごちゃした街と違い、緑と可愛らしい公園がある住宅街。


住みやすそうで、遥にピッタリな街だと思った。


駅を出てすぐ、街の案内板と書かれた地図があった。


遥の住所と照らし合わせる。


案内板を見るかぎり、ここから歩いていける距離だ。


俺は慣れない街を歩きだす。遥を探しに。


『っていうか、俺方向音痴じゃん…。』


自分が方向音痴な事をすっかり忘れていた。


しかも冷静に考えれば、時間はもう夜十時をとっくに越えている。


こんな時間に押し掛けても、遥は迷惑だろうな…。


でも慌てて家を出たため、宿は取っていないし、着替えも何も持ってきていない。


『仕方ないか…。』


俺は近くにある公園で寝ることにした。


幸い、ホームレスもいない。今夜はなにも出ませんように…。

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