キミに真心をこめて
俺は夢の中で、白い靄がかかった道を歩いていた。
『またかよ…。どこなんだよ、ここは。』
慎重に一歩一歩歩いていく。
でもやっぱり、どんなに歩いても靄が晴れることはなく、終わりのない道を永遠に歩いていきそうな
そんな感じがした。
『……………だよ。』
微かに聞こえた、誰かの声。
いや、誰かじゃない。今の声は絶対に遥だ!!
『遥!?遥だろ!!俺だよ、勇一だよ!!』
夢の中で、俺は大声で呼び掛けた。
『……もう少しで………会える………よ……。』
『もう少し??俺が今いるところから、遥の家は近いのか!?』
『………こ……す……でき……ゆ………な…。』
『遥、なんだよ!!聞こえねぇよ!!』
大切な人の声はもうとぎれとぎれで、何を言ってるのか聞き取れない。