キミに真心をこめて
『翔、何やってるの!!申し訳ございません!!』
そこで、その男の子の母親らしき人が慌てて駆け付けてきた。
まだ若い感じで、とても可愛らしい。
正直、母親には見えないな。
『いや、いいですよ。気にしないでください。』
俺がそう言っているのに、母親は何回も謝ってくる。
『本当に申し訳ございません。ちょっと目を離したすきに…。何かお詫びでも…。』
今時珍しいな。ボール当たっただけで、お詫びとか。
別にお詫びしてほしい訳じゃないし、丁寧に断ろうと思ったとき。
俺の頭の中に、ある一つの考えが浮かんだ。
『あのー。』
『は、はい!!』
『もし良かったら、ここまでの道順教えてくれませんか??』
そう。俺は、その母親に遥の住所を聞いた。
そのほうが手っ取り早いしな。