キミに真心をこめて
母親は俺から、住所の書いてある手紙を受け取った。
『えっとー…。四丁目…。あぁ、ここから近いですよ。公園を出てすぐ右にまがって、少し歩くと花壇の綺麗なお家があります。その家の三軒隣が、この人の家のはずです。』
そんなに近かったのか、遥の家は。
目と鼻の先って感じだな。
あまりにもの近さに驚いていると
『あのー…。どうかなさいましたか??』
男の子の母親に心配されてしまった。
『あ、いや、なんでもないです。ありがとうございました。助かりました!!』
『こちらこそ、本当にすいませんでした。』
母親が深々と頭を下げるもんだから、俺も慌てて頭を下げた。
『じゃあ、俺行きますね。』
別れ際に、男の子の頭を撫でると、嬉しそうに
『バイバイ、お兄ちゃん!!』
小さな手を大きく振ってくれた。