天使の涙
ジリリリリリリリリリ....ガチッ
「う~んっっ・・・もう朝かぁ~」
そうつぶやくと「ふぁ~っ」と大きなあくびをした。
「つーか、今日の夢なんか変だったなぁ・・・」
ボソッとつぶやくと
「へぇ~、どんな夢?」
バカの声が聞こえてきた。
朝からコイツと顔を合わせる運命にある自分を、心底可哀想だと思う。
「おはよう、レナ。」
返事をしない私に、バカが部屋の真ん中にあるしきりの向こう側から顔を出して話しかけてきた。
「おはよう、バカ。」
私がそう返すと
「ヒドイッ、双子の弟の何がそんなに憎いのっ!」
と、わめき始めた。
そーいうところだよ。
その言葉を飲み込んで
「レイジ、着替えるからすっこんで。」
私はぶっきらぼうに吐き捨てた。
「はーい・・・」
すごすごとレイジがカーテンの向こう側に戻るのを確認すると、私はパジャマから制服に着替え始めた。