天使の涙
今日は水曜日。
私にとって1番憂鬱な曜日。
「レイジ、着替え終わったよ。」
最後にネクタイをキュッとしめると、カーテンの向こうにいるレイジに呼びかけた。
「ほーいほいっ。んじゃ下降りますかっ。」
ガチャッとドアを開ける音がした。
私が部屋の真ん中にあるカーテンを開けると、そこにはドアノブを片手に笑うレイジがいた。
「何ニヤついてんの?」
キモッという言葉だけは飲み込んで、レイジに話しかけた。
「おーおー今日もレナ様は冷たいですね~」
そう言いながら部屋を出るレイジの顔は、まだ笑ってた。その姿に思わず泣きたくなる私はレイジなんかよりずっと、バカだ。