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どうして、私に話しかけるの。

ねぇ、止めてよ。



私を見ないで。

近寄らないで。


止めて。



「君、女の子だよねー?」



にこにこと笑う目や、



「あっは、こんな可愛い子に会えるなんて、俺ってツイてるなぁー」


私の目の前でふわふわと揺れる茶色が、



「俺、林道奏っていうの」



酷く恐ろしい。



「仲良くしてねんっ」



さぁっ、と血の気が引いてゆくのが、分かった。


 
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