隣の男はよく見える
「で、どこに泊まったんですか?」
結局・・・聞く訳・・・ね。
「ど・どこっテ?」
やましいとこがあるから、ちょっと声が裏返ってしまった。
「神崎先生が、さくらさんは、
友達のとこに泊まった訳でもないみたいだって言ってたから。」
泊まらせてくれる友達なんて知れてるからね・・・って?
静のやつ・・・電話でもしたの?
「と・友達のとこだよ。
飲んでたら、たまたま、偶然、本とに偶然、
昔の友達に会っちゃって・・・
飲み過ぎて終電逃したから・・・。」
たぶん嘘バレバレ?
「そうだったんですか。」
信じてないかも知れないけど
駿くんは、素直にそう言って
それ以上は追求しなかった。