隣の男はよく見える
・今ごろ気付いちゃ遅いですか?
嫌な一日だった。


なんで私が引っ叩かれなきゃなんないの?




そして珍しく大残業中――――


「さすがに一人は淋しいなあ~。」


お腹も空いて来た。

あとちょっとで終わるから我慢我慢・・

そう思っていたら・・・


ドサッ


と目の前にコンビニの袋


振り向くと・・・





「まだ居たんだな。」

「う、うん。」

「それ、差し入れ。
なんにも食ってないだろ?」

「・・うん。」



なんか旭と普通にしゃべってないから・・・

事実、さっきなんてあの状況で助けてもくれなかったし・・・。。。



「みんな居るかと思ったらさくらだけじゃん。」


コンビニの袋を覗くと

おにぎりとお茶

一人分じゃない


「あと少しで終われると思って
1時間前に北山さんは帰したんだけど・・・
やっと終われそう。」

「ふ~ん。
だったら、一緒に帰りに食べに行けばよかったな。」



旭がそう言っておにぎりを一個取り上げ開け始めた。


「旭もまだだったの?」

「うんん、食ってきた。」


なんだ・・・



まっ、もう旭と二人っきりで食事なんて行って失敗したかないけど・・・


失敗・・・大失敗。。。


なんにも覚えてないけど・・・


ただ、あの朝、

隣に寝てる旭を目にしたときの驚きは・・・


しっかり覚えてる。


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