隣の男はよく見える

「さあ~、どっちかなあ~。
横浜中華街に行きたいし・・・
いや・・・大阪のたこ焼きも捨てがたいし・・・」


「お前・・・食うことしか考えてない訳?
しかも、横浜は東京じゃないし・・・まっ、近いけど」


はっ・・・

そうだった・・・


「住むんだったらでしょ?
う~~~~~~~~ん。」


「もういいよ。」




旭がペットボトルのお茶をグイッ飲み干して立ち上がった。



そして・・


思い出したように言った。



「そう言えば、あいつ・・・
隣の小暮だっけ?
本気で付き合ってるわけ?」


小暮くん?


そっか・・・


そうだ!

まだ誤解したままなんだっけ・・・




「それは・・・まだ・・・
付き合ってないし・・・。」


そこで、はっきり言うべきだった。

なのに変な言い方しかできなかったから・・・



「付き合ってもいないのにあいつんち泊まったりするんだ。」




シャンプーの誤解がまだ続いてる。



誤解を解かなきゃって思うのに・・・


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