隣の男はよく見える

そんなおかしな自分の考えを打ち消す。

ちょっと違うって・・感じただけ。



「急ぎの仕事あって早く来たの。
朝一に出さないと本社のお局様に怒られちゃうんだ。」


私はそう言ってちょっとしかめっ面して見せた。


「怖い人みたいだね。」

「うん。電話口で延々1時間お説教されたこともあるよ。」

「そっか、じゃあ早く終わらせないと。」

「うん。じゃあね。」



そう言って・・・歩き出そうとして・・・






「きゃっ!」


なんにもない所で・・・


コケた



「さくらちゃん!」



とっさに小暮くん


その長い腕で・・・



抱きとめてくれた。



危なかった~~。




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