隣の男はよく見える
・傷心なんかじゃいられない
旭が転勤して1週間後・・・



「福岡支店から来た前沢貴(まえざわたかし)君だ。」


「前沢です。よろしくお願いします。」



予定より3日遅れでやって来たその子は、

女の子にしてもいいぐらいの綺麗な子だった。




そう・・・


『綺麗な・・・子』


私より若い・・・




「年いくつですか?」


聞かなくてもだいたい分かるのに後輩が聞いていた。



「3月生まれなんでまだ22です。」



に・にじゅうに?



年下とは思ったけど・・・




「え~、タメじゃないですか。」


後輩が喜んでいた。





「ってことは入社して・・・。」

私の質問にすかさず、


「はい、半年経ちました。」



前沢くんはニッコリと微笑んで答えた。



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