隣の男はよく見える
・うちの居候は弟です

「どうしたんですか?さくら先輩?」

隣のビルから帰ってからも結局私は気もそぞろ。


気分転換に外に出たつもりが・・・


確かにいい気分転換ってゆ~か、目の保養ってゆ~かにはなったけど・・・

何か・・・変なスイッチ入っちゃた感じ。



隣の化粧品会社の小暮くんに始まり

隣のビルの予備校に通う・・・


「あ!」



私の叫びに後輩が飛び上らんばかりに驚いた。

「な、何ですか?さくら先輩!?」


しまった・・・
辺りに後輩しかいない・・・
よかった・・・



「い・・・いや・・・別に・・・。」


そう、肝心のこと忘れてたあ~。

あの高校生の名前聞いてなかった・・・。

不審そうな後輩の目・・・


その視線を避けるように後ろのキャビネットにファイルを取りに立つ。



「でも、また会えるからいいか。」


でも・・相手は高校性なのに・・・

また会いたいとか・・・

思っちゃ・・・

本とはダメだよ・・・ね?





「でも、そうそう偶然なんてないし・・・。」


「何の偶然?」


え?


振り返って・・


「うわっ!」

< 52 / 363 >

この作品をシェア

pagetop