隣の男はよく見える
「お隣に貰った野菜ならあるわよ。」
「野菜?冗談だろ?さっきみたあれは野菜の姿なんてしてなかったぞ。」
う、、、、
その通り。料理なんてしないから・・・。
「それに俺は料理なんてできないし。」
「静も自炊してないの?」
「『も』ってなんだよ『静も』ってさあ。
俺は親父と一緒に居るからさ。さくらは女なんだから料理ぐらいしろよな。」
そうだ、静は今は父親のとこに居るんだった。
前に遊びに行ったときにそこに家政婦さんが居て驚いた。
結構年配の人の良さそうな家政婦さん。
さぞかし静の自分勝手な行動に振り回されているかと思いきや、静も他人様の前ではいい子だった。
「女だからってゆ~のは男尊女卑よ。」
「男尊女卑とかじゃなくてさあ・・・
この状態・・・」
静が呆れたように辺りを見回す。
「な、何よ!」
「料理がダメでも・・・掃除ぐらいしろよ!」
う、、、、
も~~~~~~~~~~~~いや!
「だったら静がしなさいよ!」
私、逆切れ?
静に向かってそこらにあるものを投げつけ
寝室に向かった。
「明日には帰ってよね!」
最後にそう言って。