姫は王子の隣で

「見送りに「いらないわ」」




行きます、という言葉を樹里亜さんが遮る。




「何度も言うけど瑠苑?次に会うのはあなたの結婚式の日よ。覚えておきなさい」



「はい。楽しみにしてますね」






これは、樹里亜さんの照れ隠しなのかもしれない。



「じゃあね、瑠苑。短い間だったけどあなたとわかりあえてうれしかった。そこの3人も、ありがとう」





樹里亜さんの視線が、私から1個前の曲がり角へと移る。




< 133 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop