響け、空に―
「うおっ!!人たくさんいるな〜」
電車に乗って三十分の所にある渋谷は、俺らの地元よりたくさん人がいた。
たった三十分の距離でこんなに違うとは……
「予想以上の人だかり……。
孝、疲れない?」
「大丈夫!!ここで疲れたなんて言ったらデートなんてできないからな!!」
「デート?
……デートって日高先輩と?」
「は?違うぞ」
「だって昨日……一目ぼれしたって」
「ああ。……あれはそう思い込んでただけ。」
正直に言えば『思い込ませてた』だけどな。