響け、空に―
「ふうん………そっか!!」

笑美子が笑った。

その笑顔に俺の心臓は鼓動を速める。


《……決めた!!告る!!》


「え、笑美子!!」


「ん?何?」


「俺さ、実はお前のこと…」


“好きだ”と言おうとした時、


「すみません、ちょっとお時間よろしいですか?」


スーツに身を包んだ一人の女性にさえぎられた。


「何でしょう?」

笑美子が柔らかく訪ねる。


「あの、あなた芸能界とかに興味はありませんか?」


「私…ですか?」


「ええ!!先程のあなたの笑顔を見てまして…」


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