響け、空に―
「これ、さっき廊下で渡されたんだ。今日の委員会で使うプリントだって。」


「あ、ありがとう。すっかり忘れてた…」

プリントを受け取ろうとした時、入江君の指と、私の指が触れた。


「!!」

孝達には見えなかっただろうけど、

私はプリントの陰で入江君に指を絡められた。



入江君は少し笑って

「じゃあ」

と、教室を出ていった。


「笑美ちゃん……?」

頭が真っ白になって動くことができなかった私に、小沼さんが声をかける。


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