響け、空に―
「…ごめん、何でもない。行こっ!!」

普通に答えたつもりだけれど、


「何かあったのか?」

と、孝に鋭くつっこまれる。


「ううん、別に」

上手くとぼけたのに孝は何か勘づいたみたい。


「……そっか」

と答えるまでに間があったから。


私は小沼さんの手を引いて教室を出た。



そして、一人で抱えることができなくなった私は、小沼さんに全てを話した。


小沼さんは黙って聞いてくれていた。


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