響け、空に―
「そうだったんだ…やっぱり入江は我慢できなくなったのか。」


「………。」


「で、どうするの?」


「どうする…って?」


「入江に返事しなきゃでしょ?

早く返事しないと、もっと気まずくなるし、変な期待を持たせることになっちゃうからさ……」


「うん…。」


「……もしかして、揺れてる?孝君にするか、入江にするか」


「そんなことないよ!!…もう決めてある。

保健委員が終わったら言うつもり」


「そっか…頑張ってね。」

自分の中でも気持ちの整理がついた。

《もう決めてある、入江君に伝えなきゃ…》


その気持ちが強くて放課後がくるのが待ち遠しかった。


< 116 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop